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[ 撮影スポット ]

2023.12.13

【康生さんぽ】戦火を逃れ、今なお残る「明治の景観」を歩いてみませんか?(伝馬通り)

戦時中、岡崎の中心地を焼き尽くした岡崎空襲。
康生の辺りは壊滅。
当時の市長が瓦礫となった街を見て呆然と立ち尽くしている写真を見ると、その被害のすさまじさを物語っています。

その”岡崎空襲”の火の手から運よく逃れたのが、現在の「伝馬通り2丁目」です。
壊滅した部分と、戦火が届かなかった部分の”ちょうど境目”となったこの辺りには、現在も平屋建ての建物がいくつか残っており、歩いているとレトロな雰囲気を楽しむことができます。

本記事では、今なお伝馬通りに残る、”趣きたっぷりの建物”を紹介していきます。

白い看板と、黒い瓦屋根が印象的な薬局、「大黒屋(だいこくや)」

白い看板と、黒い瓦屋根が印象的な薬局、「大黒屋(だいこくや)」

漢方薬のタテ看板が目に飛び込んでくる大黒屋さんの隣りを歩くと、まるでタイムスリップしたかのような気持ちになります。

戦前の広告を感じさせる文字の赤看板。
田舎で昔見たことのあるような、大きなひょうたん。
全面がガラスの、年月を感じさせる引き戸。

一見しただけで、あちこちに目を惹かれる面白いモノが満載の大黒屋さんですが、実はその歴史は室町時代までさかのぼります。
天文24年(1555年)創業のこちらのお店は、460年越えの超老舗。
岡崎では、まるや八丁味噌に次いで、2番目に歴史のあるお店です。

漢方を売りにしている薬局で、現在も営業中。
長らく岡崎市民の健康を見守ってきたお店なので、体の不調に悩む方は戸を叩いてみると良いかもしれません。

赤い木の柱や、ガラスの引き戸に風情を感じる「和服おくせ」

赤い木の柱や、ガラスの引き戸に風情を感じる「和服おくせ」

老舗の呉服店「和服おくせ」は、1923年に創業。
その歴史は100年を超えます。
引き戸のガラスを縁取る赤い木枠が美しく、お店をのぞきこんでみれば、ディスプレイされた可愛い和小物が並んでいます。

和小物、和雑貨は京都から取り寄せているセンスの良い品々で、お値段も手ごろ。
「冷やかしでもいいので、気軽に見ていってね!」と、前に訪れた際には店主さんが気さくに言っておられました。

確か、思い出の着物のリメイク・サービスなどもされていたと思います。
「着物として着ることはなかなか難しいけれど、捨てるのは忍びない」
「娘に着物を譲りたいけれど、タンスの肥やしになりそう」
そんな時は、和服おくせさんでお洒落なバッグに作り替えてもらうのも、現代の「和」を楽しむ一つの在り方だと思いました。

古民家を利用してつくられた、雰囲気の良いカフェ「モダン喫茶 茶楽音。(ちゃらね)」

古民家を利用してつくられた、雰囲気の良いカフェ「モダン喫茶 茶楽音。(ちゃらね)」

「茶楽音」さんは、ジャズを楽しめる古民家風カフェで、数年前にオープンした新しいお店です。
スピーカーは超有名オーディオブランド・JBL。JAZZ音源を楽しむのにピッタリの環境が整っています。
お店の中央にはアップライトピアノがあり、ライブなども行っているようです。

元々の古い古民家の味を生かした内装は、とてもシックでお洒落。
コーヒーや軽食、スイーツも、一つ一つの素材や提供の仕方にこだわりがあり、上質な空間と時間を満喫することができます。

レトロなものに囲まれるとしっとりと落ち着く感覚って、不思議ですよね。
外観だけでなく、中にも気軽に入ってレトロな雰囲気を楽しめるというのが、こちらのお店のポイント。
ぜひ、まったりしていってください。

記事:【お店】JAZZとレトロな雰囲気が魅力。「昭和モダン珈琲 茶楽音。」

明治時代から変わらぬ姿で営業を続けるお店、「永田屋精肉店(ながたやせいにくてん)」

明治時代から変わらぬ姿で営業を続けるお店、「永田屋精肉店(ながたやせいにくてん)」

明治23年に創業した「永田屋本店」さんは、精肉店として今も市民の台所を彩っています。
”濃い緑色の屋根+金色の文字”という重厚な外観は、創業当時のまま。
赤い暖簾と緑の看板の対比がなんとも美しく、伝馬の古い街並みの中でも飛びぬけて目立っています。
こちらの建物は、岡崎市に残る貴重な風景として「岡崎市都市景観環境賞」も受賞しています。

松坂牛の取扱店で、個人的におすすめしたいのが「松坂牛コロッケ」。
特に揚げたてをほお張ると、ジューシーな肉の旨みが口いっぱいに広がって、病みつきになる美味しさです。
専門店の得意を生かし、お肉を使った色んな揚げ物メニューがあるので、お夕飯のお供にも。

あとは、「いいお肉ですき焼きがしたい」とか、「BBQ楽しみたい!」なんて時には、迷わず永田屋さんをプッシュしたいと思います。
岡崎の美味しいお店は、こちらのお肉を使っている事も多いそうですよ。

お店の中に入ると、レトロな文字盤や木の装飾がステキな古時計があります。
長い時間をお店と共に刻んできたと思うと、なんだか愛着が湧いてきます。

現在は民家になっているけれど、昔は永田屋の隣に趣きのある看板もありました。

現在は民家になっているけれど、昔は永田屋の隣に趣きのある看板もありました。

平成の後半くらいまでは、永田屋さんの隣には、このような古い木製看板もありました。

すでにお店は取り壊され、この看板もなくなってしまいましたが、貴重な写真が出てきたので記録として載せておこうと思います。

この字を調べてみると、「綫」の簡体字だそうで「セン」と読むようです。
「細い糸」という意味らしいので、もしかして糸屋さんだったのかもしれませんね。

明治時代の景観がのこる魅力的な街並みは、散策するのが楽しいスポット!

明治時代の景観がのこる魅力的な街並みは、散策するのが楽しいスポット!

岡崎空襲の被害地域との境目となった、伝馬通り2丁目付近。
こうして歩いてみると、雰囲気のある建物が立ち並ぶステキな散策スポットでした。

記事を書いていて気がづいたのが、今もお店が営業しているところが多いという事です。
外から見るのも楽しいのですが、中に入れるというのはなかなか貴重だと思います。

伝馬通りには、岡崎伝馬宿歴史プロムナードもあります。
江戸時代、明治時代など、古きを楽しめるスポットでもあるので、歴史やレトロな雰囲気に興味がある方は、この辺りを歩いてみてくださいね。

記事:【散策】「岡崎伝馬宿 歴史プロムナード」で江戸時代を歩く旅。

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この記事で紹介されたスポット

永田屋本店

伝馬通 精肉、惣菜

暮らし・食品

TEL : 0564210771

休 : 日、第1水曜日

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和服屋おくせ

伝馬通 和服

ファッション

TEL : 0564221254

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昭和モダン珈琲 茶楽音 伝馬通店

伝馬通 (ランチ)、喫茶、ジャズ

カフェ・喫茶

TEL : 0564737770

休 : 不定休

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大黒屋

伝馬通 薬局、漢方

健康・薬局

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