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[ グルメ・お酒 ]
2022.04.18
【お店】JAZZとレトロな雰囲気が魅力。「昭和モダン珈琲 茶楽音。」
古民家を改装した落ち着いた店内。
心地よいジャズが流れ、こだわりのドリンクや喫茶店メニューがいただける贅沢なひと時。
今回は、地元のお客さんに音楽の裾野を広げたいという思いのもと、「音」を身近に届けてくれる伝馬通りの喫茶店「昭和モダン珈琲 茶楽音。(ちゃらね)」をご紹介します。
誰もが音の世界の扉を開ける、「音楽の玄関」をコンセプトに。
2020年8月、伝馬通りに構えられたお店は、実は2号店。
岡崎市向山町にある本店は、世界に千台弱しか存在しない貴重なJBL製スピーカー「パラゴン」があり、知る人ぞ知るジャズ愛好家の聖地でもあります。
一方、伝馬通りの「茶楽音。2号店」はライト層向け。これまで音楽に触れる機会があまりなかった人や、音楽は好きだけれども音質にまでこだわったことが無かったという人に向けた、「音楽の玄関」をイメージしています。
訪れた人がJBL製スピーカーの音に触れたり、ピアノの生音を体験してもらおうというのが、2号店のコンセプトだそうです。
「音」には抗いがたい魅力がある?!奥深いスピーカーの世界。
茶楽音。で心地よい音を奏でるのはJBL製のスピーカーです。ジャズの本場アメリカの音響ブランドで、創設者は音の天才エンジニアと呼び声高いジェームス・B・ランシング。「もっと美しい家庭用スピーカーがつくりたい」という彼の言葉は有名です。
JBL製のスピーカーは大型の低音用ドライバーを有しているものが多く、低い音がくぐもる事なく、立体的に表現できるという特徴があります。
オーケストラのように多数の楽器の調和を楽しむのとは違い、ジャズは基本的に少人数で編成されています。
その分、互いの楽器の特徴や、自由な掛け合いといった、その場で交差する音同士の臨場感が最大の魅力なだけに、ダイナミックなJBLの音質は、ジャズと非常に相性が良いといえます。
ボンボン響くベース、粒の立ったスネア、軽やかに転がるピアノ、空気を切り裂くサックス。
この迫力をダイナミックに届けてくれるJBLスピーカーの音に聴き入ってると、脳が痺れるような心地よさに包まれます。
もちろん生音も楽しめる♪茶楽音。の「フリーピアノ」
最近、様々な場所で見かけるようになったのが「フリーピアノ」。
音楽を得意とするyoutuberが、掃除夫やサラリーマン、時には工事業者さんやマスコットキャラクターに扮し、フリーピアノの前に座るやいなや、素晴らしいメロディーを奏でて通行人をびっくりさせる…そんな動画コンテンツも大人気ですよね。
茶楽音。の一角にあるミニステージには、誰でも気軽に弾くことが出来る「フリーピアノ」が設置されています。
過去には、親に連れられて来店した小学生が、ピアノ教室で習った曲を元気よく奏でて、店内が途端にミニコンサート会場に早変わり!…なんて微笑ましいエピソードも聞かせていただきました。
ちなみに、時間貸しでピアノ練習を出来たり、ミニライブ開催の相談などにも乗ってくれるとのこと。音楽を嗜む人は、茶楽音。を様々なシーンで利用してみてはいかがでしょう?
忘れてはいけない!茶楽音。こだわりのメニューの数々
素敵な音楽にくつろぎの空間…。
何か足りないと思った人、美味しいメニューはこちらです(笑)
茶楽音。が力を入れているメニューの一つが「珈琲」。
店名に珈琲を冠するだけあって、光サイフォンで丁寧に抽出するコーヒーは豆本来の風味を素直に引き出し、クリアな味わいを楽しむことが出来ます。コーヒー豆はもちろん、オリジナル焙煎。徹底してます。
アイスコーヒーも一風変わっています。
タップからグラスへと注がれるのを見て、間違えてギネスを注文してしまったのかと焦る必要はありません。グラス上部にきめ細やかな泡が立っていますが、味は紛うことなくアイスコーヒーです。
グラスの中にはコーヒー原液を凍らせた、丸い氷が入っています。味を薄めない、きめ細やかな心づかいが嬉しいですね。
・光サイフォンの茶楽音。ブレンドコーヒー¥550(税込)
・黒ビールのようなアイス泡コーヒー¥550(税込)
研究された手捏ねのわらび餅に、極厚だし巻きの玉子サンドも!
スイーツや軽食も、面白い物が揃っています。
茶楽音。の人気スイーツ「わらび餅」は、京都の一番人気の老舗わらび餅屋さんを訪れ、研究を重ねる中で誕生したそうです。
機械では絶対に出ない、手で混ぜた時の独特の粘りが特徴で、確かに口に入れた時のふわっととろける食感は今までに体験したことのない新鮮さでした。結構な食べ応えで、添えられたアイスクリームで味変も楽しめます。(わらびもち、アイスクリーム付き¥880)
ネームセンスが独特な「厚厚厚タマゴサンド¥800(税別)」は、見ためのインパクト大。厚めのパンと出汁巻玉子が、横長のお皿の上で黄色と白のコントラストを生み出して…とまあ、頼めば何を言っているのか分かるので、一度注文する事をお勧めします。もちろん、味は言うまでもなく美味。
ドリンク、食事、スイーツに軽食。どの品をとってもどこか非凡。音楽に空間、食事までもが五感を刺激し、日常からの逸脱を促します。
「非日常」を感じてもらいたい。
それが茶楽音。が目指すサービスなのかもしれません。
茶楽音。のルーツとなったスピーカー、音の世界遺産「JBL パラゴン」
最後に、「茶楽音。」という店のルーツとなった、1つのスピーカーについてご紹介します。
音の世界遺産と呼ばれ、世界最高のスピーカーとの呼び声も高いパラゴンは、世界に千台程しかないJBLの最高傑作の一つ。
なんと、日本の桶職人が渡米し、一台一台手作りでこの世に送り出したというから、二重の意味で驚きです。
店長が当時20~30代の頃、名古屋のジャズ喫茶へ足繁く通い、青春を共にしたのがこのパラゴンでした。
時は流れ、仕事を引退して間もなく、店長はこの憧れのスピーカーとの再会を果たしたそうです。非常に高い買物でしたが、念願のパラゴンを手に入れた店長は、これまでの喫茶店経営の手腕を生かし、和風ジャズ喫茶 茶楽音をOPEN。日本でも数少ない、パラゴンを聴ける場所として開放し、最高のサウンドをみんなで共有できる「音」の居場所を作りあげました。
「独り占めするより、みんなで分かち合いたくて。」
この店長さんの一言が、音楽というモノの本質を言い当てているような気がします。
熱に浮かされるように1つのスピーカーの虜になり、数十年越しに恋い焦がれた「音」を手に入れた店長さんを突き動かしたのは、「みんなで聴きたい」という思いでした。
音楽が人生に与えてくれる豊かな色。
それを知る仲間達と繋がり、まだ知らない人には「音」の扉を開きたい。
「音楽の玄関」である茶楽音。2号店には、そんな店長さんの思いが確かに息づいているようです。
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