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[ 企画 ]
2024-03-30
【康生さんぽ】油を掛けて、開運を願う?!善入院の油掛地蔵尊(あぶらかけじぞうそん)をお参りしてみよう。
松本町に、少し変わったお地蔵さまが祀られていると聞いて、お参りに行ってみることにしました。
ウワサでは、「ごま油をかけて」開運を祈願するそう?!
お水ではなく、本当にごま油?・・・と驚いてしまいましたが、誰でも参拝可能とのこと。百聞は一見に如かず、ということでさっそくお参りしてきました。
今日の記事では、松本町にある善入院(ぜんにゅういん)の「油掛地蔵尊」について、ご紹介します。
善入院(ぜんにゅういん)はどんなお寺?
善入院は、松平家庇護の下、1562年に開山されたお寺で、ご本尊は「一光三尊善光寺阿弥陀如来」です。
この「善光寺如来」は、徳川家康公の次男の孫である「松平光長公」(越後国高田藩主)夫妻が、熱心に信仰していた仏像と伝えられています。
越後出身の当山十八世慈門上人の「師僧懐譽上人」は、光長公夫妻に幼いころから可愛がられたご縁で、夫妻の遺言にしたがって、この仏像を大本山増上寺に移しました。
十九世秀邦上人の時、師である慈門上人と縁の深いこの仏像を自院にて祀りたいと申し出たことで、明和5年(1768)に増上寺から「一光三尊善光寺如来様」が本尊としてやってきました。
「善光寺如来様」が入佛されたのをきっかけに、寺号は「善入院」と改められました。
境内に祀られている「油掛地蔵尊」をお参りしてみました。
境内にある「油掛地蔵尊」は、京都に3ヶ寺ある油掛地蔵の一つ、伏見の西岸寺から、戦後にお招きしたお地蔵様だそうです。
身体健全や、特に商売繁盛を願って、多く参拝者が訪れています。
お堂の中に入ると、油がズラリと並んでいます。
参拝された皆さんが備えたもので、菜種油、サラダ油は灯明に、ごま油はお蔵様に掛けるために使われるそうです。
油によって用途が違うのが面白いですね。
お堂の中へ足を踏み入れると、ごま油の香ばしい香りでいっぱい。
昼時に行くと、お腹が空いてきそうです。
右側には奉納されたサラダ油、左側にはごま油が並んでいる様子が圧巻です。
小さな柄杓に油をすくい、お地蔵様にそっと掛けて手を合わせました。
私は、健康と平穏な日々を送れるように祈願しましたが、特に商売繁盛にご利益があるということなので、お仕事の成功を願う方は、ぜひ一度参詣をおすすめしたいと思います。
近くには、「油掛大黒天」を祀る、永泉禅寺(えいせんぜんじ)もある!
善入院を調べていると、どうやら近くの能見町に永泉禅寺(えいせんぜんじ)というお寺があり、境内には、開運の福神として全国的に尊信を集めている「油掛大黒天」が祀られているそうです。
「油を掛けて参拝する」というのはとても珍しいと思うのですが、ほど近い距離の二つのお寺で、油掛地蔵尊と油掛大黒天が祀られているのは、はたして偶然なんでしょうか。
とても不思議に思いました。
どうしてお地蔵様に油を掛けるの?その由来は・・・
善入院の油掛地蔵尊がもともといらっしゃった、京都・伏見の油懸山地蔵院西岸寺に伝わる「油売りの油掛伝承」をご紹介します。
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昔、「大阪は堺に油の行商人が住んでおり、旅をしながら諸国を歩き商売にいそしんでいました。
ある時、歩き疲れて道端のお地蔵様の前で一休みしていたところ、行商人はうとうとしながらこんなお告げを聞いたといいます。
「この私(お地蔵様)に油を掛けて供養すれば商売が繁盛しますよ。」
そのお告げの通り、お地蔵様に油を掛けて御供養すると、商売が軌道に乗り一代で大きな財産を築いて油問屋を営むまでになったといいます。
油を掛けて「開運祈願」!善入院の油掛地蔵尊のご紹介でした
古い記述によると、少なくとも江戸初期にはすでに油商人には油を地蔵尊に掛ける風習があり、それが次第に庶民信仰へと広まり現代の信仰につながっているようです。
今回、初めて参拝しましたが、黒くツヤツヤと光るお地蔵様を見ていると、香ばしい香りと共に福を運んできてくれるような有り難い気持ちになりました。
松本町へ行ったら、ぜひ参拝に訪れてみてください。
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【康生さんぽ】油を掛けて、開運を願う?!善入院の油掛地蔵尊(あぶらかけじぞうそん)をお参りしてみよう。
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