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[ 企画 ]

2026-03-01

【康生・至高のグルメ】何も知らずに食べるのはもったいない!知る人ぞ知るブランド豚「保美豚(ほうびとん)」をいただく(岡崎・厳選屋)

「何も知らないまま食べるのは、あまりにもったいない…」
表題通りの感想を抱かせた、特別なフランクフルトソーセージがあります。

感染症が依然猛威を振るっていたさ中、店主である尾崎さんが2021年にオープンしたカフェ&セレクトショップ、「厳選屋」。

店を始めるにあたり、背中を押してくれたモノの一つに「保美豚(ほうびとん)」を使ったフランクフルトソーセージとの出会いがあるそうです。

「こだわりの珈琲と、保美豚のソーセージで作ったホットドッグ。これがあったから、お店を支える3本柱の”食”の部分をしっかりとイメージすることが出来た。」

尾崎さんにそう言わしめた「保美豚(ほうびとん)」とは、一体どんなお肉なんでしょうか。

今回のテーマは、康生で食べられる至高のグルメ「家康公ホットドッグ」。
厳選屋の尾崎さんにお話を伺いました。

岡崎城公園の大手門より徒歩1分。信号を渡った郵便局の隣にある「厳選屋」

岡崎城公園の大手門より徒歩1分。信号を渡った郵便局の隣にある「厳選屋」

「厳選屋」はその名前の通り、店主である尾崎さんが”これは自信をもって人に薦めたい”と思うものを厳選し発信する、尾崎さんのアンテナショップのようなお店です。
メインはドリンクや軽食を楽しめるカフェであり、店の一角にはセレクトショップも内包されています。

”人・モノ・食”の3つを柱に交流の場を作るという構想は、2021年に出店という形で実現しました。
講師を呼んだ店内イベントや「ガンダム会」などの気軽なサークル活動。
リーガルシューズで得た革靴の知識など、長年の経験を活かしたレザー商品の物販。
美味しい食事については、ピザなどの軽食や”クラフトコーラ”といったこだわりの品も増えつつあります。

「厳選屋」のショップページはコチラ

厳選屋の原点、「家康公ホットドッグ」を注文。

厳選屋の原点、「家康公ホットドッグ」を注文。

「家康公ホットドッグ」税込1000円
保美豚(ほうびとん)のフランクフルトソーセージをフランスパンで挟んだ逸品。スープとザワークラウト、味変の粒マスタード付き。
パンは硬めと柔らかめから選べるそうで、今回はサンクレールの硬めフランスパンを選びました。

もったい付けず、さっそくいただいてみます。
ほんのり暖かいフランスパンにかぶりつくと、サクサクした噛み応えのあるパン生地は小麦の味をしっかり感ることができます。中に挟まれている大ぶりのソーセージからは甘い肉の脂がじゅわっとにじみ出し、それがパンに染み込む。パンとソーセージだけのシンプルな作りですが、素材の味わいを大切にしていることがよく分かります。

もう一度肉そのものを味わいたくて、フランクフルト(600円税込)も頼んでみました。
やっぱり美味しい。この保美豚のソーセージは肉質にしっかりと噛み応えがあり、含まれている脂(ドリップ)にも自然な甘みを感じます。

市販のソーセージは不自然なほどの脂(ドリップ)が出てくるのが普通で、人工的な味やギトギトした脂の小細工感がどうしても気になり、最近は加工肉そのものを敬遠していたところでした。

久しぶりに口にした加工肉でしたが、保美豚のソーセージの脂は舌にサラッと広がり、くどさを全く感じさせません。肉の特有の匂いが苦手な人でも、この自然な香りであれば抵抗感なく食べられるのではないでしょうか。

「この保美豚は、他と何がちがうのだろう?」と、興味が湧きました。

尾崎さんいわく、保美豚は抗生物質を一切使わず育てているブランド豚なのだそうです。
でも、それってどういうこと?

難中之難!抗生物質を一切使わずに育てる「保美豚」という奇跡の豚。

難中之難!抗生物質を一切使わずに育てる「保美豚」という奇跡の豚。

豚は大きな鼻が特徴。食べ物や地面に鼻が接するので、雑菌が肺に取り込まれやすく風邪などの病気に非常にかかりやすい動物です。そのため餌に抗生物質を混ぜ与え、出荷まで体調を管理します。
また、効率重視の一般的な育て方では、仔豚の体が十分に育ち切る前に離乳させ高栄養の飼料を与え始めるので腸内環境が悪く、薬を使わなければ体調管理が出来ないそうです。

抗生物質は量を守れば、健康被害は低リスクといわれます。ただ過剰な投薬による薬剤耐性菌が発現する可能性は未知数で、抗生物質が効きにくくなれば怪我や病気が重症化する危険性も無視できません。
これらを鑑みて養豚業界では抗生物質の量を減らす傾向にはあるそうですが、まだまだ道のりは遠いのが現実です。

一見「抗生物質不使用」を謳っている豚肉も、仔豚時代の過剰投与は行われていたり、出荷前3ヶ月間のみ無投薬にしているなどのカラクリがある中、「保美豚」は抗生物質を一切不使用。このような養豚農家は全国でも10軒あるかどうかというほど希少です。

保美豚を育てる吉田畜産さんは、自然豊かな渥美半島にあります。
農業生産出荷量が市町村で日本一を誇る渥美半島には、生で食べられる甘いトウモロコシや高糖度のメロンなど、情熱を傾けるつくり手が多い土地柄だそうです。畜産も盛んで、約90軒の養豚農家があります。
その中でただ1軒、吉田畜産さんだけが「遺伝子組み換え飼料不使用・抗生物質不使用」という最強の安全性を掲げています。

豚の生育に対するこだわりにも目を見張るものがあります。
例えば、豚は雌W(大ヨークシャー)✕雄D(デュロック)の交配品種で、きめが細かく風味のある肉質になります。
エサは保美豚専用の飼料を作ってもらっていて「コクと旨味のある肉」にするためのオレイン酸、「肉の臭み軽減」のための乳酸菌や酵素など、豚本来が持つ免疫や抵抗力をサポートする創意工夫の配合です。
生育環境も、通常よりもゆったりとした空間で育てていて、豚がストレスを感じにくいよう配慮されています。

「安全で美味しい、自然な豚」を食卓に届けるための挑戦。

「安全で美味しい、自然な豚」を食卓に届けるための挑戦。

現在、保美豚の管理を任されている吉田幸伸さんは、高校卒業後に地元を離れ京都の動物検査センターで勤務されていました。そこで動物に対する薬品の残留や炎症に関する実験を行いながら、畜産動物に対する病気と薬品投与の、まるでイタチごっこのような在り方に疑問を感じていたそうです。
数年の勤務の後に吉田畜産へと戻り再び養豚と向き合った際、自分たちの顔を出して信頼の看板で商売がしたいという父 吉田正幸さん(吉田畜産社長)の思いと、薬で病気を無理やり抑え込むのではなく、病気に罹りにくい豚を実現してみたいという幸伸さんの考えが一つとなり、「保美豚」というブランド豚の構想へと繋がりました。

2010年に、吉田畜産は抗生物質完全無投薬の養豚へと舵を切りました。が、”抗生物質不使用”の選択は当時の養豚業界ではありえない事でした。生まれた豚を短期間で太らせ、安定的に目標の頭数を出荷する。養豚のリスクを下げ安定的な利益を得るために、抗生物質は欠かせないというのが常識だったからです。

未来の誰かの体と健康を、今この手で作り出しているという「命をはぐくむ実感」

未来の誰かの体と健康を、今この手で作り出しているという「命をはぐくむ実感」

薬を抜いたエサを作って欲しいと飼料メーカーにお願いしても「売れるか分からないし、リスクが大きい」と断られる中、なんとかやってくれるところを見つけたものの、抗生物質を抜いた結果は全体の20%の豚を病気で失ってしまうという厳しい現実でした。
その後、微生物の専門家の協力をきっかけに、腸内フローラを整えて豚の免疫力を高める飼料の実験繰り返し、病気に強い健康な豚の開発は少しずつ進んでいきました。
ただ、その豚肉を取り扱ってくれる販路自体が少なく、朝から晩まで働いても経営は厳しかったといいます。
しかし、10年間必死に取り組む中で、「これは未来にとって必要なことだから」と保美豚に理解を示してくれるスーパーも現れ、商品を求めるお客様もだんだんと増え始めました。
ブランドが確立した現在でも、管理にかかる手間やコストは通常の養豚と比べものにならないほど大変だといいます。それでもあえて難しいことに挑戦し続けるのは、幸せに育った豚で、誰かを幸せにしたいという「命をはぐくむ実感」を感じながら仕事をしているからではないでしょうか。

つくり手の想いをいただく、「保美豚」というお肉。

つくり手の想いをいただく、「保美豚」というお肉。

「とにかく自然で身体に良い、子どもに食べさせられる美味しい豚肉を。」

厳選屋の尾崎さんは吉田畜産のみなさんの話を聞くために、何度も渥美半島へと通っているそうです。
尾崎さんにとって「保美豚のソーセージ」というのは、美味しいホットドッグを単にお出しするという事ではなく、「つくり手の想い」まで含めて味わえる”価値あるひと品の提供”だということが分かります。
保美豚が生み出される背景を知った今、厳選屋でいただく家康公ホットドッグはなんとも贅沢で、特別な体験をしているように感じられました。

この心も体も舌も喜ぶ”ご褒美肉”の「保美豚(ほうびとん)」は、予約すれば店頭でお肉単体の購入もできるとのこと。
まずはお店でホットドッグやフランクフルトを味わってみて、気に入ったらぜひ身近で大切な人にも”健康と美味しさ”をおすそ分けしてあげてください。

吉田畜産「保美豚(ほうびとん)」(公式サイト)

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