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2023.05.26

三河武士の列伝 すずき孔先生が描く、魂を震わせる三河武士たちの生き様 ― 漫画展「マンガで読む戦国の徳川家臣団」 ― 

岡崎公園、大河ドラマ館前に新装開店した観光みやげ売店『おかざき屋』の柱を彩る、家康公と三河武士の5つのストーリーのイラストパネルはご覧になったでしょうか。

また、岡崎市図書館交流プラザりぶら1階通路、通称『お堀通り』において徳川家康ゆかりの20武将について、漫画パネルが展示されています。1年にわたり展示されてきたこのイベントは、まもなく終了します。

本日は、これらの漫画パネル、そして作者である、漫画家のすずき孔(こう)氏について語ってみようと思います。

岡崎大河ドラマ館とともにリニューアルオープンした、観光みやげ売店『おかざき屋』。
広くなったその店内には家康公や岡崎、愛知に関するグッズが、オープン当初で850品目。さらにこれからどんどん増えて行く予定なのだそうです。

所狭しと並べられたみやげ物に目を奪われがちですが、店内の柱を見上げると、そこには家康公や於大の方、本多忠勝など、家康公とそれを支えた三河の人々が
物語と鮮やかなイラストで描き出されています。

文章は、岡崎市の歴史研究家の市橋章夫先生。そして、美しくも力強いイラストを描いているのは、漫画家のすずき孔先生です。

すずき孔(すずきこう)先生は、愛知県西尾市出身、在学中にマンガ家としてデビューされ、上京後の2009年には、井伊直政を主人公に、徳川家康への確執と恩讐を描いた『紅塵賦』が、第一回プロダクションI.G×MAG大賞の佳作を受賞。

その後、水面かえるという名義で描かれた作品『茶の涙』が、大阪国際マンガグランプリCOOLJAPAN作品賞を受賞するなど大活躍。近年は、学習まんがを中心に、多くの歴史物の作品を世に出されています。

一方、広い世代が受け入れやすい、見やすく綺麗な作画が、郷土の歴史人物のPRに選ばれています。
安城市歴史博物館では、家康公の祖父清康を中心にした安城松平氏をイラスト化。出身地西尾市では、中世吉良氏を誇り高く描いた、学習用の副読本を執筆されています。

すずき孔先生のライフワークともいえる作品群が、 岡崎文化協会機関誌『岡崎文化』に連載されている『三河武士列伝』です。

家康公の忠臣から出奔へと転じた石川数正の生涯に迫る漫画に始まり、年に1作品、独力によるきめ細かな調査と取材の末、はるか500年前の武将の一生を、一人の人として向き合った作者が描いた三河武士の生涯は、泣き、笑い、困難に立ち向かって生きた武将たちの生きざまを伝えてくれます。

すずき孔先生の描く歴史人物は、その人がいつ何をした、という学習的な文言の羅列で終わらず、その想いの熱さ、信念、魂までも写し取ったようです。それが、何百年前の彼らが、まるですぐ側で生きているかのように、我々の感情に語りかけてくれるのです。

2022年8月から4武将ずつ5回に分けてのパネル展示は、令和5年(2023年)の大河ドラマ『どうする家康』の放送を目前に控え、市民機運の醸成のため企画されました。
大河ドラマにも登場する家康公ゆかりの人物が選ばれ、拡大した漫画パネルが全話掲示されました。
現在は、りぶらでの漫画パネル展示は、5回の展示の第5段となり、5月30日で終了となります。

この漫画が収録された『戦国の徳川武将列伝』及び『戦国の徳川武将列伝2』(ともに戎光祥出版)は、りぶら内の岡崎市中央図書館で読むことができるほか、正文館書店本店や正文館書店シビコ店を始めとした書店で購入することができます。

歴史ものでありながら、その内容は決して難しいものではなく、徳川家臣団の人となりを理解する上で最適です。

各漫画のあとがきには、さらにその武将のエピソードや、人物ゆかりの史跡の紹介もあり、漫画で完結せず、次の学びや歴史観光への広がりも見せてくれます。

岡崎市中央図書館、1階レファレンスライブラリーにある家康文庫は、昭和40年(1965年)徳川家康公没後350年大祭を記念して、岡崎ロータリークラブからの寄付を受け設立されました。以来岡崎ロータリークラブ及びタニザワフーズ株式会社の寄付に支えられ、徳川家康公に関する図書、家康公が生きた16〜7世紀、それに続く江戸時代に至るまでの文献が充実しています。

研究家だけでなく、幅広い世代がいつどこからでも学び始められるように、家康公や戦国時代を扱った児童図書や図録をまとめた書架もあり、その中に、今回パネル展示された『戦国の徳川武将列伝』及び『戦国の徳川武将列伝2』も収められています。

また、康生町にある正文館書店本店には、『家康公の本棚』として、家康公とその周囲に特化された図書コーナーが通年設けられています。

お子さん・初心者向きからマニアックなものまで幅広く、博識な店長が熟考して集めた『家康公』書籍の充実ぶりには、私も常に助けられています。



中央図書館の家康文庫、正文館書店の家康公の本棚。歴史を学ぶきっかけになる一冊と出会える場所は他にもあります。

大河ドラマの予習復習に、自由研究や生涯学習、そしてなにより、知的好奇心を満たす娯楽として、郷土の歴史を読み解いてみませんか。

「正文館書店」のショップページはこちら

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この記事で紹介されたスポット

おかざき屋

康生町 岡崎公園、土産

暮らし・食品

TEL : 0564244771

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岡崎市図書館交流プラザ りぶら

西康生 図書館、ホール

公共施設

TEL : 0564233100

休 : 水曜日

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正文館書店 本店

康生通東 雑誌・書籍

雑貨・本

TEL : 0564280111

休 : 日曜日

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