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2025-02-15

【corin30特集】岡崎市・開市500年記念特集④ 岡崎の歴史からみる伝統産業「三河花火」「八丁味噌」

岡崎市の開市から500年。
康生を中心としたこのエリアは、約500年の長きに渡り、「商いのまち」が続いています。

今回の特集では、岡崎市の伝統産業を2つご紹介します。
「三河花火」「八丁味噌」は岡崎市民にとって、特になじみ深いもの。
どんな歴史があったのか、ご存じですか?

ぜひ最後までご覧ください。

【前回の記事】「岡崎市・開市500年記念特集③ 商いの礎を築いた一時代」を読む

泰平の世が訪れ、武器としての火薬は娯楽へと進化。今も夜空に大輪の花を輝かせる

泰平の世が訪れ、武器としての火薬は娯楽へと進化。今も夜空に大輪の花を輝かせる

日本の夏の風物詩、花火。
その起源は、いわゆる戦国時代、鉄砲伝来とともに日本に伝わった『火術』が元となるようです。
戦争の道具として、たくさんの人の命を奪った銃と火薬を扱う技術。しかし、家康公が江戸幕府を開いたのち天下泰平の世となると、 再び戦争が起きないよう、火薬は厳しく製造や所持を規制されることになりました。
そんな中、三河は特別に火薬の製造と保管を許可され、製造された火薬を平和に使おうと作られたものが、三河花火のなりたちです。

江戸時代後半には、菅生神社の祭礼に花火の奉納が行われるようになり、これが今日の岡崎の花火大会の礎となります。
その後、明治から昭和にかけて、華やかな打ち上げ花火をはじめ、この地域独特の「金魚花火」、家庭用玩具花火の「ドラゴン」など多種多様な花火が岡崎から生み出され、現在に至るまで全国の夏の夜を明るく照らしています。

それまでバラバラに売られていた家庭用の玩具花火を、いろんな種類を詰め合わせてパック販売にしたことも、岡崎の花火屋さんの創意工夫なのだそうです。

家康公の健康と長寿を支えたともいわれる八丁味噌

家康公の健康と長寿を支えたともいわれる八丁味噌

八丁味噌は、米麹や麦麹を用いず、原材料の大豆を麹にした「豆麹」で作られる豆味噌の一つ。岡崎を代表する伝統産業でもあります。
岡崎出身の武将、徳川家康公の健康と長寿と支えたのは「麦飯と豆味噌」だったとも言われ、戦国時代には岡崎で豆味噌が製造されていたものと考えられています。
その工程のほとんどが創業当初からの手順を守り、良質の大豆と塩、水と麹だけを素材として約三年間、熟成させて作り出されます。
腐敗を防ぐために塩分濃度を高めているため、独特の渋みとうまみが特徴です。 
八丁味噌の名の由来は、岡崎城から西へ八町 (870m) の『八丁村』(現在の岡崎市八丁町)で作られたことからきています。
この地域は地下水が豊富で、対岸の矢作地域では良質の大豆がつくられていました。

また、八丁村は東海道の水陸交通の要地でもあり、付近には矢作橋が架設され、すぐ近くに矢作川の船着き場「八町土場」がありました。そのおかげで、下流の三河湾沿岸で作られる塩、山間部からは薪や石といった必需品が運びやすいうえ、完成した味噌を遠く江戸や大阪まで船で出荷することができました。東西の東海道と矢作川が交わる交通の要所・岡崎という地盤が八丁味噌を全国に送り出していったのです。

八丁味噌作りの特色は、大きな木桶とその上に積まれた三角(円錐状)の石積みです。丈夫な吉野杉の桶にふたをして、その重しに石を積む作業は、熟練した職人の手作業で行われます。
一番上に置く石は「まんじゅう石」ともいわれます。
「石の顔」を表に出すことで重心が桶の中心に向かい、たとえ地震が起きても崩れず、バランスの良い圧力は内部に循環を起こし、均一で美味しい味噌を熟成します。この桶を、自然の気候に任せて二夏二冬かけてゆっくりと熟成させることで、大豆のうまみを凝縮した本物の八丁味噌の味わいが花開いていくのです。

◆文/小辻 裕子さん

2つの味噌蔵は見学も可能!

2つの味噌蔵は見学も可能!

今回は岡崎市の伝統産業のうち、「三河花火」「八丁味噌」についてご紹介しました。

八丁味噌を造っているのは、世界でただ2軒のみ。
カクキュー八丁味噌さんと、まるや八丁味噌さんです。
NHK朝の連続ドラマのロケ地にもなっていました。

この味噌蔵は、それぞれ見学が可能です。
見学予約もできますので、各味噌蔵のHPをご確認ください。

カクキュー八丁味噌 工場見学(外部HP)

まるや八丁味噌 蔵見学(外部HP)

次回は、岡崎の伝統産業の中から「三河仏壇」「和ろうそく」「岡崎石工」をご紹介します。
どうぞお楽しみに!

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この記事で紹介されたスポット

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①カクキュー八丁味噌

②まるや八丁味噌