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[ 自然・公園 ]

2024.01.07

【康生さんぽ】3頭のシマウマが見守る小学生たちの合戦場、「御旗公園(みはたこうえん)」のヒミツに迫る!(材木町/岡崎城総堀)

御旗公園(みはたこうえん)を訪れると、心をどこかに置き忘れたような表情のシマウマが3頭、うつむき加減で出迎えてくれます。
そのすぐ近くには、赤・黄・緑・青の円柱がニョキニョキ。

カラフルで趣のたっぷりの公園ですが、実は歴史的な価値が高い、一風変わった場所でもあります。

今日は材木町にある市民の憩いの場、「御旗公園(みはたこうえん)」についてご紹介していこうと思います。

御旗公園(みはたこうえん)の名前の由来は?

御旗公園(みはたこうえん)の名前の由来は?

この御旗公園の名前の由来は、室町時代までさかのぼります。

田中吉政が城主となった天正18年(1580年)、東海道を引き入れて岡崎の城下町が整備されたことは有名です。
城下町を整備する前のこの辺りはまだまだ密林の多い未開発な土地だったのですが、田中吉政は林や山の木を伐採し、平らにしてまちへと作り変えることで、岡崎城地を大きく広げようと考えました。

当時、材木町には「天神山」という山がありましたが、田中吉政は大胆にもこの山を切り開くことにします。
天神山には「稲前天神」という神社があり、そこの御神旗(おみはた)が祭日に立てられた場所は、御旗場(みはたば)といわれました。
この御旗場があった名残りから、この地は御旗(みはた)と呼ばれ、それが公園の名前の由来となっているそうです。
※諸説あり

ここまでお城だった?!岡崎城の最北端に位置する、御旗公園。

ここまでお城だった?!岡崎城の最北端に位置する、御旗公園。

先ほどの土地開発の話からも分かるように、田中吉政は岡崎城の周りの土地を切り開いていき、城下町を大きく広げ、その外側をお堀で囲いました。
どこまで広げたのか。
ちょうどそのお堀の最北端に当たるのが、この御旗公園なのです。

お城っていうと、現代人の感覚でいえば「岡崎公園の中にあるお城の事でしょう?」となりがちですが、実際には殿様が住まう「本丸」があり、その周囲を政(まつりごと)を担う人々が住まう「内郭」があり、さらにその外側には武士や商人で構成される城下町が「外郭」として存在する、いわゆる3重構造になっていて、それを総堀(そうぼり)で囲い込んだ”総構え”が全て、「岡崎城」でした。

つまり、岡崎城の一番外側を囲っているお堀(総堀)の最北端にあたる御旗公園は、
「岡崎城ってこんなところまであったんだな、なんて大きいんだろう」
と肌で実感できてしまう、重要な歴史スポットということになります。

土や石で囲った総堀(そうぼり)は、敵の侵入を防ぐために作られましたが、明治に入るとその役割を失い、だんだんと姿を消していきました。
その後、戦後復興の区画整理で埋め立てられ、その時に作られたのがこの「御旗公園」だそうです。

▶引用:岡崎城総堀跡 発掘調査公開中‼(岡崎市)

2019年には、御旗公園の下に眠る「総堀」の発掘調査が行われ、注目されたことは記憶に新しいと思います。
発掘調査が進められたのち、一般の方も参加できる説明会が開催されました。

下のリンクに、説明会当日に配布された資料を貼っておくので、興味のある方はぜひ閲覧してみてください。

▶参考資料:岡崎城総堀跡発掘調査 現地説明会/当日配布資料(岡崎市)

籠田公園前から移設された「田中吉政(たなかよしまさ)」の石像

籠田公園前から移設された「田中吉政(たなかよしまさ)」の石像

この御旗公園の一角に、岡崎の城下町開発の立役者となった「田中吉政」の石像が設置されています。

石像はもともと、籠田総門付近(籠田公園の近く)にありましたが、まちの再開発の関係で、この御旗公園に引っ越して来られたようです。
その後訪れたコロナ禍の影響で、マスクをしてたたずんでいる姿もお見掛けしました。

よくよくお顔を拝見すると、賊徒を成敗したときに左目から鼻、唇にかけて負ったとされる大きな顔の”切り傷”も再現されていて、とても完成度が高いものとなっています。

▶おすすめの記事:お久しぶりです。いま、ここにいます。 -田中吉政像の現在-

コンクリート製のシマウマは、長年この地域の子ども達を見守っている

コンクリート製のシマウマは、長年この地域の子ども達を見守っている

さて、昔ばかりではなく現代の御旗公園でのエピソードも一つ紹介します。

今から35年前に、地元の連尺小学校に通っていた人の話によると、この御旗公園は小学生たちの陣取り合戦場となっていたもよう。登場するのは広幡(ひろはた)小学校と、連尺(れんじゃく)小学校の生徒たち。御旗公園を他の学区のヤツに渡してなるものか!と、熱い戦い?がくり広げられていたそうです。
「や~い、ぼろはた!」「なんだと?レンコン!」
と、なんとも小学生らしいボキャブラリーが飛び交う、少々過激な交流を見守るのは、3頭のコンクリート製のシマウマたちです。

風を切って走る馬のイメージからは遠く離れた”ずんぐり体型”のシマウマは、ムキムキの上腕筋がチャームポイント。それにしてもあまりに脚が短くないだろうか・・・、と目を凝らすうちに、脚が地面に埋まって抜けなくなった可哀想なシマウマに、見えてこなくもないような。
ならば、その虚ろな目にも納得です。

歴史的スポットも、今はのんびりとした憩いの公園。

歴史的スポットも、今はのんびりとした憩いの公園。

材木町にある「御旗公園(みはたこうえん)」。
なんてことない公園かと思いきや、名前の由来や歴史的な価値など、知るとおもしろい情報が満載のスポットでした。

チャーミングなシマウマと一緒に、訪れる親子連れをまったりと眺めながら、歴史のロマンに想いを馳せるのもおもしろそうですね。

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この記事で紹介されたスポット

御旗公園

松本町 岡崎城総掘跡、シマウマ像

自然・公園

TEL : 0564236250

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田中吉政像

松本町 御旗公園、二十七曲り、お堀跡

歴史・石碑

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御旗公園のシマウマ

松本町 遊具、シマウマ

自然・公園

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